寝台特急Z94に乗り西安から上海へ
兵馬俑見物は2時間と短い時間で残念でしたが、予定通り上海行き寝台特急Z94が発車1時間前の16時に西安駅に到着。
しかし中国国内の大雨の影響によりダイヤが乱れ、西安駅出発時間が17時のはずが、深夜1時半に西安駅を出発する事になった。
言葉がわからないのでその時は事情が分からず、駅、駅周辺で不安な時間を過ごし、まぁなんとか最終的に列車に乗る事が出来たが、滅茶苦茶疲れた1日になった。
4日目の予定 (2010年7月25日)
- 鐘楼の近くにあるホテル周辺朝の散歩
- タクシーを拾って秦始皇兵馬俑博物館へ
- 世界遺産兵馬俑見物 日本語ガイド付き
- 兵馬俑博物館から西安駅へ
- 上海行寝台直達列車Z94遅延により西安駅で9時間待機
西安駅の東側にあるバスターミナルに915路バスは到着
兵馬俑行きのバスはここ西安駅から城壁に向かって左側にバスターミナル(少しわかりづらい)から発着しています。
自分の乗った西安行きのバスは、高速道路を通る915路。
所要時間1時間。料金7元。
行きはタクシーで行ったので惜しくなる。
他に306路もあるそうですが、これは城内を走るから時間がかかると言っていた。
午後4時00分頃
予定通り16時に西安駅に着き、駅横の何でも屋さんでビール、水等を調達する事に。
カップラーメンも買おうかと思ったが、中国のカップラーメンはバカでかいのしかなく嵩張るからやめた。
ビールの入った冷蔵庫の前にいた店の小娘に、冷たいビールが欲しいと言ったら、
なんとこっちの方へポイっとビールを投げつけられた。
中国では、よくお釣りや品物を投げつけられると聞いていたが、まさかこんなガキにやられるとは
唖然として、怒る気にも、説教する気にもならなかったので金を払ってさっさと店を出た。
上海行直達寝台列車Z94に乗り込む
日曜日だからか、西安駅前は人でごった返していた。
そろそろいい時間やし、物資も補給したので西安駅に入るか。
発車1時間前なのに西安駅に入れさせてくれない
西安駅に入ろうと改札へ向かう。
西安駅の駅前は検問のような形で、柵で仕切った通路に何列かに並ばせその先に駅員が居て、客が出された切符を見ると、中に入れる人と入れない人を分けていた。
入れなった人たちは駅員に説得された後は素直に検問から出て行った。
私の場合切符は本物だし、入れてくれるものだろうと私の順番が来た時に駅員に切符を見せると、なぜか中に入れさせてくれない。1時間前だから駅に入るのは当たり前の事なのだが。
20分後、40分後、別の検問の列に入り並びなおして駅員に切符を見せるが入れさせてくれない。
駅員がなんか言っている。
さっぱりわからない。
一言だけ聞き取れたのが ワン・ディエン、シィイー・ディエン
今ならわかる簡単な中国語フレーズなのだが、その時は中国旅行2回目でほとんど単語を知らなかったのでわからなかった。
漢字で書くと 晩点、十一時 直訳すると 遅延 11時
つまり 列車遅延により午後11時出発という事だったのだ。
列車出発の17時10分前、事情がわからないが、列車に乗り遅れたら、明日じゅうに上海へ着けない。
とにかく駅の中へ入ろうと、駅員が他の客の切符を見ている隙に、駅に入り込んだ。
驚いたのには駅の中は、さらに混みあっていた。
いくらなんでも人口が多いからと言って、駅に入れなぐらいの人がいるなんてどうなってんだろうか
そんな事より気になる列車の状況を電光掲示板でまずは確認した。
上海行き Z94号 23点発 その後に、晩点となっている。
晩点をマメ辞書で調べると「延着」というのが書いてあった。
これでやっと状況が理解できた。
「晩点 十一点」と言っていたのか!
事情が呑み込め、人でごった返した駅の中で6時間も過ごせないので、外に出て時間をつぶすことにした。
23時迄西安駅前で時間潰し
西安駅駅前城壁の内側 城内をぶらぶら散歩する事に
あまりお腹は空いてなかったが
かなり時間があるし中国の洋食を食べて見てみたかったので
豪享来という中華、洋食のチェーンレストランで
ちょっと早いが晩飯にする事にした。
列車に長時間乗るので、辛くない無難なものを選びステーキにした。
まさか中国でステーキを食べるとは思ってなかった。
味はオージービーフのクセがありどうかなっと思ったが
濃い中華のたれで美味しく食べれた。
出来るだけ冷房のある所で座っていたかったが
ビールを2本飲み、トイレにも行き、1時間半が限界だった。
お代はビール代入れて80元(960円 2010年当時)
午後7時00分頃
黄昏時を迎える西安城城壁を見ながら西安駅周辺を再びぶらぶらする。
城壁に登ってみようかと思ったが閉門していた。
列車が遅れる事がわかっていれば、もっとゆっくり兵馬俑を見て廻れたのにと愚痴がでる。
西安には明らかに漢民族と違う人たちが多くいた。
中国で回族と呼ばれているイスラム教徒、かってシルクロードを伝って中東方面から貿易で来た商人たちの子孫たち。
様々な文化を伝え特に食文化では小麦を使った料理麺類、パンなどが代表だろうか
西安駅と駅前にある西安城城壁の間にある広場は城の中からひっきりなしに来る人と車で大混雑。
目的なくぶらぶら歩くにも程があり
西安駅西側の小吃店でビールを飲んで時間をつぶす事にする
城壁が見えとても居心地のよい店、ここなら粘れそうだ。
この店は半セルフサービスみたいになって、注文したものは自分で取りに行き
戻す事はしなくてよく、みなさんそのままテーブルの上に置いたままで店を出て行っている。
これでは結局配膳用従業員が要ることになる。=中国式セルフ
外国で食事する時、レストランのローカルルールが最初はわからないので、
前回初めて海外一人旅で上海・蘇州・常州に行った時にレストランに入る時は躊躇した。
人の賑わっている店に入りかったが、恥をかきたくないのでわざわざ人が入っていない
食堂に入り、まづくて殆ど食べる事が出来ずに店を出た事が
蘇州での思い出の一つとして強く残っている。
10回程中国に行った現在(2022年7月)では有り得なく当時が懐かしい
すっかり日も暮れ月が東の方から上がり始めている
異国の地の黄昏時は旅情がかきたてられて大好きな時間だ。
20時頃、状況が変わる事もあるかわからないし
駅の中にいた方が情報が掴めるだろうから
早めに西安駅へ入ることにした。
午後8時00分頃
西安駅はさっきよりさらに混みあっていた。
昨晩ニュースで、列車が増水した川にかかる橋をゆっくり渡る映像があったのを思い出す。
この隙間なしのギュウギュウ詰め列に入る気力は出てこない
しばらくここで新聞紙を敷いて空いてくるまで待つ事にした。
しかし1時間待って変わらなかったので、重たい腰を上げて並ぶ事にした。
21時頃駅の中に入り、先ずは電光掲示板で最新状況を確認する。
23時出発に変更はなし
午後9時00分頃
それにしても晩点ばかり、相当ダイヤは麻痺しているようだ。
全方面の列車が晩点となっている
掲示板の写真を撮っていると、駅員がぶっ飛んできた。
なにもこんな写真ぐらいで思いつつ、カメラをさっとカバンにしまい、知らん顔して無視した。
つっかかって来られ上海に行けなくなったら帰国できなくなる。
この当時は何度か駅員に写真撮影を咎められた事があったが、ここ10年
記念写真好きの中国人が高速鉄道をバックに撮影する人が増えたせいか、
現在ではかなり緩くなっている。
この後、写真は撮ってなかったが、私のいたすぐ後ろで
こっちに向かって拡声器でしきりに怒鳴っている女駅員がいた。
後ろを振り向くと、なんか必死にブツブツ言っている。
駅の中が混みあって、人を整理する駅員も殺気立っているのか
列車の遅れは仕方ないにしても、こんな目に合っているのはこちらのせいではない
中国で制服を着た連中はどうやら自分らの立場がどんなものかわかってないようだ。
客の上に自分らがいて、下々の者に列車に乗せてやってあげてると思っているのだろう。
ついに上海行直達寝台列車Z94に乗り込む事が出来る
23時になっても改札が始まらず、さらに遅れるみたいだ。
電光掲示板の表示には変化がなかった。
Z94改札の表示が出るのを待つしかない。
暫くして遅れていた他の列車の改札が、少しずつ始まりだし待合室の入れ替えが起きた。
今までは待合室の隅っこで立って待っていたが、改札する列車が出始め椅子が
空きだし、漸く椅子に座れる事が出来た。
椅子に座ると眠たくなってきた。
これは危ない折角これだけ待ってここで寝入ってしまい列車の出発に気が付かず
乗り過ごしてしまったら目も当てられない。
明日の上海万博観光どころか日本帰国の明後日まで上海に行けるかどうか判らなくなる。
結局、午前1時半になってからZ94の改札が始まった。
改札開始の表示が出た時、待合室にいた欧米人団体客が奇声を上げて大喜びしていた。
午前1時30分頃
ホームへ向かうと何本かの列車が待っている
手前の白い列車が上海行直達寝台Z94
こんな状態で硬座でもし上海まで行くとしたら、考えただけで奇絶しそうだ。
みなさん疲労困憊で乗り込んでいる。
直達寝台列車Z94上海まで1500kmを14時間かけて走る。
午前7時上海に到着する予定だったが、既に8時間半の遅れが発生
順調にいって午後3時半到着か
まぁなんとか万博はまともに見れそうだ。
軟臥にしてよかった。
ベッドに上がるとすぐに眠った。
同室の人もすでに眠っていた。
このまま寝てるだけで明日は上海だ。
5日目①へ続く